
今朝は、皆さんにとって新しい世界に一歩を踏み出すのにふさわしい特別な日となりました。
本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 第58回入学式を挙行できることは、誠にうれしく思うところでございます。ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでいただき、ありがとうございます。皆さんのご入学を、教職員一同、心より歓迎いたします。
また、4年ぶりに、ご来賓の方々を入学式にお迎えできることができました。宗像市教育長・地元中学校校長先生をはじめたくさんのご来賓の方々にご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。特に、壇上にお座りの伊豆美沙子様におかれましては、宗像市長として初めて本校の入学式に参列していただきました。本校が地域にねざした学校であり、地元宗像市と強い関係の証であると大変嬉しく存じます。ありがとうございます。
さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。本校では、建学の精神を基本として、5つのスクールポリシーを定めています。ご来賓・保護者の方は、お手元の式次第の裏表紙に載せておりますので、ご覧いただきたいと思います。
まずは、「エデュケーションポリシー」理想とする教育であります。「素直な心と感謝の気持ちをもち、主体性と気概をもって、何事にも挑戦することで、ひとの笑顔のためにがんばれる人を育てたい。」という崇高な理想にむかって進めています。笑顔というのは人に伝わります。人の笑顔をみると自分も笑顔になれます。実は、人を笑顔にするということは、自分も笑顔になれるということです。笑顔という言葉を幸せという言葉に置き換えてみてください。人の笑顔や幸せのためにがんばれる人は、実は、自分も笑顔になれる、自分も幸せになれるということなのです。だからこそ、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人になってほしいと思っています。それが、我々が理想とする教育です。
次に「人間力を育てる」ことを、ナビゲートポリシーとしています。これは、3年間でどのような人に育ってほしいかという我々の教育の目標となっています。豊かな人間性を育み、社会性に富んだ、主体的に生きる人間を育てたいと考えています。
三つ目のマネージメントポリシーでは、本校がどのような学校でありたいかを示しています。本校では、生徒・保護者の満足度を高める学校を表明しています。昨年の卒業生のアンケートでは、学校満足度および授業満足度ともに90%でした。これからも努力を重ねてあげていき、満足度100%に近づけたいと思っています。
そして、カリキュラムポリシーでは、「7つの学力」というコンピテンシーを提示しています。各教科の授業はもちろん、イベントや部活動において、具体的にどのような力をつけてほしいかを示した「7つの学力」です。
最後に、「スクールライフポリシー」です。学習・イベント・クラブを、どのような考え方で活動していくのかを示しています。
SDGsや規律の中の楽しさ、そして仲間と共に成長するチーム力を意識して日々のスクールライフを進めていきます。
新型コロナウィルスは、5月には五類に引き下げられることが決定しました。これからも基本的な感染対策をしなければなりませんが、日本国内だけではなく、世界中での人の流れが確実に増えています。皆さん自身にも、留学したり、海外との交流する機会などグローバルな活動が広がっていくと思います。
一方、現在の世界情勢に目をむければどうでしょうか。この一年、ウクライナとロシアの戦争がリアルに報じられています。ウクライナの美しい街が破壊され、人々の平和な日々が崩され、多くの人の命が奪われています。ジェノサイト・大量虐殺が起こっていることも明白になりました。明らかに、ロシアの戦争犯罪が起こっています。ですが、世界はこの状況を止めることができません。日本も決して無関係ではありません。自分たちから遠いところのこと、関係のないことではなく、わたしたちが生きているこの地球上で起こっていることです。私たち自身には、直接何もできないかもしれませんが、関心を持って注視していかなければならないと思います。
ウクライナだけではありません。世界のいろんなところで、民族・宗教・貧困などが要因で争いや紛争が起こっています。また、温暖化問題や食糧問題など今後の世界には多くの課題があります。
現在の日本の社会そして世界の情勢には、答えの見出せない課題が多くあります。皆さんは、今後、そのような世界に歩み出さなければなりません。だからこそ、この東海福岡での3年間で、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人間力と確かな「七つの学力」をしっかりつけてほしいと思っています。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、教職員一同ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導に、取り組んでまいります。それには、保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただきたいとお願い致します。
さあ、新入生の皆さん、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。人の笑顔のために、人の幸せのために尽くせる人に成長してくれることを信じ、私の告辞といたします。
2023年4月8日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
皆さん、新しい年度が始まりました。新しい出会いや挑戦が待っています。私たちは、それぞれが持つ能力を最大限に発揮し、チームとして、チーム東海福岡として、目標に向かって一歩一歩進んでいきましょう。
コロナウイルスが5月7日より五類に引き下げられます。ただコロナウイルスがなくなったわけではありませんので、引き続き基本的な感染対策は必要です。ですが、マスクの着用についてもかなり緩和され、日常からマスクが必要でなくなってきています。皆さんは、3年前よりマスク着用を強いられてきました。ですので、緩和されてもなかなかマスクを外せないという人も多いのではないでしょうか。本校では、あくまでもマスク着用については、生徒・教職員ともに、個人の判断でお願いしています。
私は、マスクを外して多くの人の素敵な笑顔が多くみられる学校に、そして世の中になってほしいと思っています。人と人のコミュニケーションには言葉だけではない、口元の微妙な動きや顔全体から読み取れるものも多くあります。そこから、人のことを察したり、思い遣ったりすることも多くあります。そういったコミュニケーション力も必要ではないかと思います。
一方、会話によるコミュニケーションは一番大切なことです。マスク着用、人と人との向き合った会話が自粛されていた時期が多くあったので、コミュニケション力が落ちているように思います。あいさつがその最も顕著なものだと思います。皆さんは、おはようございます。こんにちはとさわやかに挨拶をしてくれます。ですが、おはようと言っても、マスクの下でボソボソっと言う人、会釈だけの人、何も反応しないで通りすぎる人がいます。たいへん悲しいことです。やはり、おはようございます。こんにちは。さようなら。失礼します。ありがとうございます。しっかりと相手に言葉として伝わるようにあいさつをしてほしいと思います。また、それが人と人とのコミュニケーションの基本です。来週より、1年性が合流します。2年生・3年生のみなさん、ぜひ、チーム東海のあいさつを一人一人が、自ら実践してください。1年生の手本となってください。チーム東海のこれからの新たなあいさつ文化を築いてほしいと思います。
今日の私からのメッセージは、三つです。マスクは個人の判断で着用・不着用を決めてください。私は、マスクのない、素敵な笑顔が多く見られる学校に世の中になってほしいと願っています。また、表情から相手の気持ちを察しられるコミュニケーション力を身につけてください。そして、あいさつは、言葉でしっかり伝わるように、素敵なあいさつができる学校にしましょう。
それでは、これからの1年間、2年生・3年生で学校をリードしてください。
自分自身になにができるかを考え、それぞれができることをチャレンジしてください。がんばりましょう。ありがとうございました。
2022年度卒業式告辞「皆さんの人生に、誇りあれ!」
春の優しい陽ざしが感じられる今日、第55回卒業証書授与式を挙行できることは、喜ばしいことであります。
今、呼名されました325名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんのご卒業を教職員一同、誇りに思っております。
保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。
また、4年ぶりに、ご来賓の方々をお迎えできることができました。地域コミュニティの方々、地元中学校校長先生をはじめたくさんのご来賓の方々にご臨席いただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
ちょうど3年前、突如として、コロナ感染が拡大し、皆さんの入学式も、ここではなく、教室で放送にて行ったことでした。皆さんの3年間の高校生活は、コロナとの闘いでもありました。辛い・苦しい・やるせない状況もあったかもしれません。ですが、そんなときだからこそ、ピンチをチャンスに変えたことも多かったのではないでしょうか。
本校では、できるだけリアルな教育にこだわってきました。それは、皆さんがリアルな活動にこだわりをもってくれたからできたことでした。校外学習、クラスマッチ、秋のスポーツフェスティバルやけやき祭、そして今年度から始めたカリーチャレンジ。3年生がみんなで楽しもう、やれることをやりきろうという想いで、すべてのイベントが大成功となりました。まさにピンチをチャンスに変えてくれたと思います。
これからの皆さんの人生にもピンチが訪れることもあるでしょう。そんなときこそ、ピンチはチャンスだという気概をもって、がんばってほしいと思っています。
さて、皆さんに最後に伝えたいメッセージがあります。
それは、人生においては、プライドではなく、誇りを持って堂々と生きてほしいということです。もちろんプライドも誇りも辞書で調べれば、意味は全く同じです。
私は昔から、プライドと誇りを区別して使ってきました。
その違いは何かというと、プライドは他者との比較から生まれる優位性のことです。スポーツにおいては、プライドは大切なものです。強いチームにはチームのプライドがあります。他のチームには負けないというプライドです。ですが、そのプライドを保つには、常に他のチームに勝ち続けないとならないという課題があります。選手がそんなプライドをかけて闘うということは、すばらしいことです。
スポーツや闘い場面においてプライドは大切なものです。しかし、私が本当に言いたいことは、人の人生においては、他人と比較するプライドは捨ててほしいと思っています。常に他人と比較する人生はつまらない人生です。他人と比べ、学歴はどうか、収入はどうか、他人より異性にモテルとか、常に他人と比較しながら、生きていく人生は、実につまらない人生となります。
一方、誇りを持ってください。と言いました。誇りとは、自分自身が積み重ねきた経験努力のことです。自分がどれだけ努力を重ねてきたかということが、誇りなのです。
皆さんは、東海福岡で3年間、一生懸命勉強してきたはずです。日々部活動に明け暮れてきたはずです。目標にむけて努力してきたはずです。積み重ねてきたすべてが、皆さん自身の誇りなのです。東海福岡での3年間を誇りに思って、これからの人生もそれぞれの目標にむかって努力を積み重ね、誇りある人生を築いてください。他人との比較の優位性であるプライドなんかどうでもいい。他人を羨んだり妬んだりすることなく、どんな些細な事でも、自分自身を積み重ねて、確固たる誇りをもって、堂々とした人生を歩んでください。
プライドではなく、誇りのある人生を歩め!
これが、私からの皆さんへの最後のメッセージです。
皆さんの今後の誇りある人生を祝して、私の告示とします。
「皆さんの人生に誇りあれ!」
2023年3月2日 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
おはようございます。
先般のけやき祭WEEKはお疲れさまでした。本当に、たくさんの来校者を迎え、大成功に終わったと思っています。皆さんの笑顔のおかげ、周りの人を笑顔にしたいという気持ちのおかげだと思っています。ありがとうございました。
現在は、各部活動の秋の大会も佳境を迎えています。先週は女子バスケットボール部が、全国大会第1号でウィンターカップ出場を決めてくれました。また、一昨日の男子サッカーの準々決勝では、100分間の死闘の上、筑陽学園に勝利し、今週の土曜日、東福岡高校との準決勝に臨みます。全校応援体制で応援したいと思います。また、惜しくも敗れてしまったクラブは本当にお疲れ様でした。これからチャレンジをするクラブは、ぜひがんばってください。
さて、今日は学園の建学、そして本校の創立をお祝いする式典です。いつもは、スクリーンを活用したりして、メッセージを出していますが、本日は式典ですので、このマイク一本で勝負したいと思います。
今日、皆さんに伝えたいメッセージは、「人生の勝利の神様は細部に宿る」というお話
です。6年前、本校の創立50周年記念式典で、サッカーの元日本代表監督の岡田武史さんが話をしてくれた「勝利の神様は細部に宿る」というお話からします。岡田さんは日本代表を初めてワールドカップ出場に導いた名監督で、今はFC今治というJ3に属するサッカークラブのオーナーをされています。「勝利の神様は細部に宿る」とは、小さいこと、細かいことを、ごまかさないで、積み重ねることで、大きな勝利を得られるということです。こういう話をされてました。グラウンドの四隅にコーンを置いて、チーム全員でコーンを回ってランニング練習をしていたそうです。ある一人がズルをしてコーンの内側を回っていたそうです。たった数メートルの差ですが、これを許すチームは絶対に強くならない。とおっしゃっていました。その通りだと思います。当たり前のことを当たり前にできないチームは、大事な場面でボロがでます。グラウンドやコートをきちんと整備する。用具や練習道具はきちんと整備して並んでいる。個人の荷物も整理整頓して整然と並んでいる。そんなチームが、本当に強くなっていくのだと信じています。岡田監督だけではありません。あのエンジェルスの二刀流の大谷翔平選手も花巻東高校時代から「勝利の女神は些事にあり」をモットーにしているそうです。いずれにせよ、細かいこと、小さいことをおろそかにしないで、積み重ねていくことが、大きな勝利・大きな成功につながるということです。
さて、このことはスポーツだけではありません。チーム東海福岡全体でも言えることだと思います。授業ではチャイムで着席していますか?始めと終わりの挨拶はちゃんとや
っていますか?机の上や机の中はきちんと整理整頓していますか?「おはようございます」「こんにちは」「お願いします」「ありがとうございます」などの挨拶は明瞭な声でできていますか?先日行った身だしなみ強化週間もそうです。きちんとできていましたか?スカート丈が少々短くても、どうでもいいと心の中で思っていませんか?命を奪ったり人権を脅かすようなルールなら、大いに反対の声を上げてください。でも、組織の秩序やチームのブランドイメージを守るルールは必要です。大事なことは、その組織・チームに属する限り、小さいこと、細かいこと、そして当たり前のことに、こだわりを持つことです。こういった、当たり前のことを、細かいこと、小さいことを、当たり前にできることが、チーム東海福岡が強いチームなることです。
では、なぜチーム東海福岡を強い集団にしたいか、わかりますか。それは、皆さん一人ひとりを強くしたいからですよ。スポーツでは、強いチーム出身の選手は、上のステージに行っても活躍しますよね。同じです。強いチームすなわち強い高校の出身者は、大学や次のステージに行っても、そして社会に出ても、必ず活躍できます。私は、チーム東海福岡を強いチームにしたいと思っています。そして、強いチーム東海福岡を卒業した者は、この社会で活躍して欲しいと思っています。すなわち、チーム東海福岡がもっと強くなれば、皆さん自身も強くなれる。皆さん一人ひとりがもっと成長できる。そして、社会にでても、チーム東海福岡のプライドをもって堂々と人生を歩んでほしいと願っています。これが、「人生の勝利の神様は、細部に宿る」という話です。
このあと、本校の卒業生でもあるKENNZOさんからの講演会があります。本当に楽しみですね。でも、私の話、「人生の勝利の神様は、小さいこと、細かいこと、当たり前のことの積み重ねにある」ということを、どうか、忘れないでください。
チーム東海福岡56周年、みんなでチーム東海福岡をもっと強いチームしましょう!
『 新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする力 』
校長 津山憲司
2年数カ月におよびコロナ禍が続いています。昨今は、ようやく感染拡大も落ち着き、日常を取り戻そうとしています。いや、取り戻すのではなく、新しい日常を創り出していかないとならないと考えています。これまでコロナ禍をくぐりぬけてきたからこそ、もっと新しい、もっと力強い、もっと進化した日常でならないと思っています。
この2年数カ月、本校は、「できるときにできることを全力でやろう」という方針で、なるべくリアルな教育にこだわってきました。休校を余儀なくされた時には、オンライン授業を進めました。スポーツフェスティバルやけやき祭などのイベントも決して中止せずに実施してきました。部活動においても、なるべく活動が継続できるように取り組んできました。ご批判もありましたが、国や県の感染防止対策を順守しながら、できるだけリアル活動を続けてきました。リアルな教育にこだわって、そして進化させてきました。たとえば、体育祭を「スポーツフェスティバル」にネーミングだけではなく内容や方針も変更し実施しました。コロナ禍を縫って、クラスごとの校外研修を新たに実施し、今年度は規模を縮小しての修学旅行も実施しました。それらのイベントを実施してきたことで、本校にとって新たな力を生まれたと感じています。それは、「新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする力」です。
今年度も新たなチャレンジとして、三つあります。一つ目は、「けやき祭」を金土2日間開催とし、土曜日を一般公開に踏み込みます。二つ目は、7月にマレーシアとの国際交流を再開します。オーストラリア中期留学や海外への修学旅行の再開も計画しています。三つ目は、「カリーチャレンジ」です。学校に竈を12基作製しました。これを使って、クラスごとにグループでカリー作りにチャレンジするという新たな試みです。このチャレンジは、探究学習の一環として「問題発見解決力」「コミュニケーション力」「チーム力」そして「チャレンジ力」などのコンピテンシーを培うことを目的としています。
これからも、本校は「新しいことに怖れず、何事にもチャレンジする学校」であり続けようと考えています。この方針は、必ずや生徒一人ひとりに、コンピテンシーを身につけさせ、これからの社会で堂々と生きていける人間力を培うことにつながります。そして、東海大福岡高校自身が、常に進化する学校であり続けていくことと信じています。
2022年度入学式告辞
校長 津山憲司
陽春の候、陽気に満ちた暖かい春という言葉にふさわしい朝となりました。
本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 第57回入学式を挙行できることは、誠にうれしく思うところでございます。ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。
福岡県内の数ある高校から、また日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでくれて、ありがとうございます。皆さんのご入学を私たち教職員一同、心より歓迎いたします。
さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。皆さんの向かって右手上方に、東海大学の建学の精神として四つの言葉が書いてあります。皆さんがこれから3年間、日々学ぶ教室の黒板の上にも常時掲げています。本校では、この学園の建学の精神を基本として、4つのスクールポリシーを定めています。保護者の方は、お手元の式次第の裏表紙に載せておりますので、ご覧いただきながら、聞いていただきたいと思います。
まずは、「エデュケーションポリシー」理想とする教育であります。「素直な心と感謝の気持ちをもち、主体性と気概をもって、何事にも挑戦することで、ひとの笑顔のためにがんばれる人を育てたい。」という崇高な理想にむかって進めています。笑顔というのは人に伝わります。人の笑顔をみると自分も笑顔になれます。実は、人を笑顔にするということは、自分も笑顔になれるということです。笑顔という言葉を幸せという言葉に置き換えてみてください。人の笑顔や幸せのためにがんばれる人は、実は、自分も笑顔になれる、自分も幸せになれるということなのです。だからこそ、人の笑顔のために、人の幸せのためにがんばれる人になってほしいと思っています。それが、我々が理想とする教育です。
次に「人間力を育てる」ことを、ナビゲートポリシーとしています。これは、3年間でどのような人に育ってほしいかという我々の教育の目標となっています。そして、カリキュラムポリシーでは、「7つの学力」というコンピテンシーを提示し、具体的にどのような力をつけてほしいかを示しています。最後に、「スクールライフポリシー」です。学習・イベント・クラブ活動を、どのような考え方で活動していくのかを示しています。昨今の新型コロナウィルスとの闘いは、まだまだ終息しそうにありません。
コロナ禍の中、本校では感染拡大防止対策に力を注ぎながら、できるだけリアルな教育にこだわります。オンライン授業も実施しますが、できるだけ対面での授業を大切にします。また、スポーツフェスティバルやけやき祭と呼んでいる文化祭など、極力実施していく方向で進めています。そして、SDGsや仲間と共に成長するチーム力を意識して日々のスクールライフを進めていきます。
さて、新型ウィルスのコロナ禍は、もう2年以上続いています。コロナ禍のなか、ピンチをチャンスに変えたことも多くあったと思います。特に、オンラインやSNSの浸透は目に見張る進化がありました。国や町が閉ざされた状況でも、オンラインで繋がることが簡単にできるようになりました。今後はさらに、世界とオンラインで繋がり、グローバルな活動が広がると思います。そして、オンラインだけではなく、海外に実際出かけたり、留学したり、海外との交流する機会が、確実に増えてくると思います。
一方、現在の世界情勢に目をむければどうでしょうか。連日、ウクライナとロシアの戦争がリアルに報じられています。ウクライナの美しい街が破壊され、人々の平和な日々が崩され、多くの人の命が奪われています。最近では、ジェノサイト・大量虐殺が起こっていることも明白になりました。明らかに、ロシアの戦争犯罪が起こっています。ですが、世界はこの状況を止めることができません。日本も決して無関係ではありません。自分たちから遠いところのこと、関係のないことではなく、わたしたちが生きているこの地球上で起こっていることです。私たち自身には、直接何もできないかもしれませんが、関心を持って注視していかなければならないと思います。
ウクライナだけではありません。世界のいろんなところで、民族・宗教などが要因で争いや紛争が起こっています。また、温暖化問題や食糧問題など今後の世界には多くの課題があります。現在の日本の社会そして世界の情勢には、答えの見出せない課題が多くあります。皆さんは、今後、そのような世界に歩み出さなければなりません。だからこそ、豊かな感性を育み、主体的に社会に関われる人間力が一番大切になってきます。
それには、多面的に物事を考えられる力であるコンピテンシー「7つの学力」を3年間でしっかりと身につけることが大切だと思っています。そして、3年後には、「人の笑顔、人の幸せのために尽くせる人」に育ってほしいと思っています。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。私ども教職員一同は、お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、私たち教職員一同、ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導に、取り組んでまいります。それには、教職員と生徒そして保護者の皆様との信頼関係が肝要になると思っています。より良い教育には保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただきたいとお願い申し上げます。
さあ、新入生の皆さん、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の喜びとなり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。
人の笑顔のためにがんばれる、人の幸せのために尽くせる人に成長してくれることを信じ、私の告辞といたします。
2022年4月8日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
卒業式 校長告辞
本日ここに東海大学付属福岡高等学校第54回卒業式を挙行できることは、誠に喜ばしいことであり、また、コロナ禍の中、たくさんの皆さまにご参列していただきましたことに、心より感謝いたします。
今、呼名されました383名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの卒業を教職員一同、心より嬉しくかつ誇らしく思っております。保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。
さて、ちょうど二年前、突如として、世界中にコロナ感染が拡大し、本校でも、休校措置をとったり、修学旅行や様々な行事が延期や中止となりました。休校中は課題やオンライン授業など、家で学習をする期間が長く続きました。多くの高校生が、辛い、苦しい、やるせない思いをしたことだと思います。そんな状況の中でも、皆さんはじっと歯を食いしばって我慢し、やれることを精一杯やり続けてくれました。
この間、本校では、できるだけリアルな教育にこだわってきました。それは、皆さんがリアルな活動にこだわりをもってくれたからできたことでした。クラスマッチ、秋のスポーツフェスティバルやけやき祭、そして校外研修。3年生がみんなで楽しもうという雰囲気を自ら創り出してくれたお蔭で、大成功のイベントとなりました。まさに、できるときに、やれることを精一杯やろう。という気持ちが、ピンチをチャンスに変えてくれたと思います。
ここで、皆さんに伝えたい二つのメッセージをお話したいと思います。 皆さんにとって、このコロナの状況での高校生活は辛いことや苦しいことも多かったと思います。努力しても報われないやるせなさもおそらく経験したでしょう。
でもね、無駄な努力って、一つもないのですよ。
ピンチはコロナだけではありません。昨日の校長メッセージでも話をしましたが、現在の世界情勢を考えてみてください。ロシアがウクライナに侵攻し、まさに戦争が起こっています。首都を攻められている状況ですが、ウクライナのゼレンスキー大統領は一歩も逃げずに、この最大のピンチに立ち向かっています。SNSで、「私はウクライナにいる。私はウクライナを守る」と国民にメッセージを投げ続けています。ウクライナだけではありません。民族や宗教などをめぐって、様々な国や地域で紛争や弾圧が行われています。我々には、何もできないかもしれませんが、そんな情勢を常に関心をもって、声を上げなければならないと思っています。
このような不安定な世界情勢の中を、皆さんは進んでいかねばなりません。そして、皆さんの人生にも、いろんなことが起こるでしょう。うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。大成功すること、また失敗に終わること。逆転勝利をおさめる、また逆転負けをする。素敵な恋に出逢うこと、哀しい辛い失恋をする。人生、うまく進むことに越したことはありません。でも、たとえうまく進まなかったとしても、努力したことは決して無駄にはなりません。むしろ、うまくいかなかったとき、失敗や逆転負けを味わったとき、そして大失恋したとき。そんなピンチのときにもがいてもがいてあがく経験こそ、あなたが成長するチャンスのときだと思ってください。きっと、あなたの心の芯が太くなり、メンタルが強くなれる、また、それがあなたの優しさの源流にもなるはずです。
一つ目のメッセージは、ピンチの時に努力を惜しまずもがきあがくことこそ、人として成長するチャンスのときだということです。
今、世界中でコロナ禍や紛争、また温暖化問題など、たくさんのピンチが起こっています。今まであたりまえだったことも、あたりまえでなくなってきています。そんなときだからこそ、あたりまえのことに、ごく日常の普通のことに感謝する気持ちを、どうか忘れないでください。本日の卒業式、こんなにたくさんの皆さんが一堂に集まっていただいていること。それは、卒業式としてはあたりまえのことかもしれません。だけど、昨今のコロナの影響を鑑みれば、私は、集まることができることに、大いに感謝の念を抱くところです。
前にも話しましたよね。「あたりまえ」の反対語は何でしょうか。そうですね。「ありがとう」でしたよね。常に起こり得ることを「あたりまえ」と言います。だから、その反対のめったにないことには「ありがとう」という言葉になります。このコロナ禍では、逆に「ありがとう」と感じることが多かったのではないでしょうか。学校での生活、授業、部活動。毎日作ってくれたお弁当、友人との語らい、また寮生活。すべてのあたりまえの出来事に、感謝の気持ちを持てるようになったのではないでしょうか。
これからも、皆さんの人生において、あたりまえのことに、「ありがとう」という感謝の気持ちを決して忘れないようにしてください。あたりまえのことに感謝の気持ちをもてる人は、きっと人生を豊かに生きていける人だと思います。
私からの二つ目のメッセージは、「あたりまえ」のことに感謝することが、人生を豊かに生きるコツだということです。
これからの世界や日本の社会情勢は、いろんなことが変わっていくでしょう。未だ日本社会として経験していないことも、今後起こってくるかもしれません。でも、決して負けないでください。ピンチなときほど、自分が成長できるチャンスだと思い、あたりまえのことに常に感謝できる豊かな人生を歩んでください。これが、私が皆さんに伝えたい最後のメッセージです。
それでは、卒業生の皆さん、気概をもって堂々たる人生を歩んでください。皆さんの限りない前途を祝福して、私の告辞といたします。
2022年3月2日
東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司
「ピンチこそチャンス」
~3月1日卒業式直前 校長メッセージより~
いよいよ明日、卒業式を迎えることとなりました。皆さんは3年間本当によくがんばったね。特に2年間はコロナ感染拡大のなかで、精一杯がんばったと思います。この2年間私は、「ピンチこそチャンス」と言い続けてきました。
今、世界中でピンチが起こっています。コロナもそうなんですが、先週からのロシアによるウクライナ侵攻です。侵略といっていいかもしれません。独裁者プーチンは、絶対に許されることではありません。この戦争で、私が一番関心をもっている人物は、ウクライナのトップであるゼレンスキー大統領です。多くの国の指導者は、自分が危なくなると、国外に逃亡し、亡命をします。ゼレンスキー大統領が国外に逃げると、指導者を失ったウクライナはロシアに簡単に攻め込まれてしまうと思います。ロシアはそれを狙っていた思います。しかし、彼は首都を攻め込まれている現在でも、「私はウクライナにいる。ウクライナを守る」とSNSで国民にメッセージを出し続けています。すばらしい大統領だと思います。ゼレンスキー大統領は4年前までコメディアンでした。そして、教師から大統領になるドラマの主人公を演じていたそうです。そのドラマが現実のものとなって、大統領になったという経歴です。
ゼレンスキー大統領は今大ピンチです。でも、彼はそのピンチから一歩も逃げずに、チャンスをうかがって戦っています。ウクライナのピンチがチャンスに簡単に変わることは難しいと思います。私たちはなにもできません。ですが、私たち一人一人が、ウクライナの情勢を注視して、ウクライナに、平和と自由がもたらせる日がくることを願うことはできます。ゼレンスキー大統領、そしてウクライナの最大のピンチをチャンスに変えてほしいと願いましょう。
話題を少し変えましょう。先日、北京オリンピックが閉幕しました。数々のドラマが生まれた中で、私が特に心を揺さぶられた話をさせてください。
まずは、カーリング女子のロコソラーレ、本当にどんなピンチでも、笑顔と前向きなコミュニケーション、すばらしかったです。予選最終戦で、スイスに負けて、予選敗退と思われたとき、彼女たちはどん底だった思います。思わぬ準決勝進出が、彼女たちに銀メダルをもたらした原動力になった思います。まさしくどん底から這い上がっての銀メダルでした。
スノーボードの平野歩夢選手、彼は2回目の滑走で世界最難度のパフォーマンスをしたにもかかわらず、1位に届きませんでした。その怒りで3回目の最終滑走のスイッチが入ったといっています。3回目の滑走では世界最難度の演技を完璧に滑って、見事金メダルに輝きました。怒りを力に変えた金メダルでした。
フィギィアスケートの坂本かおり選手。坂本選手のジャンプではメダルに届かないといわれてきました。彼女は、表現力にこだわって自分らしさにこだわって滑り切りました。見事な銅メダルでした。自分らしさを信じてつかんだ銅メダルでした。
どん底から這い上がっての銀メダル、怒りを力に変えた金メダル。そして最後まであきらめないで自分らしさを信じたメダル。どれも、「ピンチをチャンスに変えた」メダルだった思います。
もう一人だけ紹介させてください。ジャンプ男女子混合種目の高梨沙羅選手の失格問題です。スーツの幅が規定より2センチ大きかったということでした。私は、「試合が終わってから抜き打ち検査をして失格にするなど、そんな馬鹿な競技があるか!」っと憤りを覚えました。ドーピング検査ならわかります。検査に時間がかかります。そして、選手の体や命に係わる問題ですから、試合後の抜き打ち検査という方法は仕方がないと思います。しかし、どんな競技でも、体重が適正か、用具に不正や不備はないか、テーピングや装具なども適正か、などのチェックは試合の前にします。今回の場合も、事前にチェックして、未然に直させることができたはずです。見事な大ジャンプのあと、抜き打ち検査をして、失格はないでしょう。しかも、沙羅選手を含めて、5名の女子選手が同じように失格になったそうです。あきれはてました。
ですが、沙羅選手はすばらしかった。失格を言い渡された50分後、2回目のジャンプに挑み、98.5mという大ジャンプを見事飛びきりました。私は、大変な失意のなか、それでも仲間のために飛んだ見事なジャンプに感動を覚えました。
数日後、沙羅選手は、自身のインスタにコメントを載せました。彼女は、自責の念、失望・絶望、そんな言葉では言い表せないどん底の状態だったと思います。彼女のインスタの写真が一面真黒だったことがそれを物語っています。
でも、私はきっと立ち直ってくれると信じています。立ち直って、また歩み始めたとき、彼女は、今回の痛すぎる経験を、自分自身の強さ、たくましさにきっと変えてくれると思います。そして、さらに強くなって再びジャンプ台に立ってほしいと願っています。彼女の今回の経験は、彼女をより強く、より逞しく、そしてより優しい人に成長させていくと信じています。少し、高梨沙羅さんの話に熱が入りすぎたようです。
今日、皆さんに伝えたいメッセージは、人生に無駄な経験は一つもないということです。どんな失敗も失望も、どんな悔しさや苦しいことも、乗り越えていくことで、自分の強さ、逞しさ、そして優しさに変えられることができます。
皆さん、どんなときでも、決してあきらめずに前に進んでください。ピンチのときこそ、今のウクライナのように、逃げないでもがき闘ってください。決して戦争を肯定しているわけではありません。
ピンチのときにあきらめないでもがきあがくことで、チャンスが生まれるはずです。「ピンチはチャンス!」忘れないでください。
最後になりますが、私が以前高校3年の担任をするたびに、最後のHRで歌っていた歌で終わりたいと思います。松山千春さんの「大空と大地のなかで」 聞いてください。
「高梨沙羅選手に、そして生徒の皆さんにエール」
おはようございます。
オンライン授業、そして入試による自宅学習が重なって、約2週間ぶりの登校となりました。久しぶりに教室に入った感想はどうでしょうか。久しぶりに仲間とリアルで会った気持ちはどうでしょうか。オンラインではなく、リアルで担任の先生に会えた感想はどうでしょうか。オンラインは便利だけれど、やっぱりリアルな活動、人と人が同じ空気のなかで、話をすることって大事なことですね。
でも、また来週からオンライン授業が続きます。21日からの学年末試験は実施する予定ですが、それ以降もどのようになるかが、まだ見通しがたちません。
今年1月以降のコロナ第六波の本校での、昨日時点の感染状況をお伝えします。1年生が感染者7名・濃厚接触者45名、2年生感染者19名・濃厚接触者35名、
全生徒・教職員で感染者32名・濃厚接触者82名となっています。これからも、感染拡大防止対策に十分に留意して、過ごしてください。
さて、「ピンチこそチャンス」といつも言っています。こういったオンライン授業が続き、部活動ができない時期だからこそ、時間を有効に使い、自分自身をレベルアップさせる機会にしてください。学年末試験も近いです。思いっきり勉強に励んでください。また、読書は、心の栄養です。たくさん本を読んでください。そして、今、北京オリンピックが開催され、数々のドラマが生まれています。そんなスポーツのドラマにも大いに心を揺さぶられてください。
北京オリンピックのドラマで、私が強く揺さぶられたことを、ひとつ話させてください。それは、先日のジャンプ男女混合種目の高梨沙羅選手の失格問題です。スーツの幅が規定よ2センチ大きかったということでした。私は、「試合が終わってから抜き打ち検査をして失格にするなど、そんな馬鹿な競技があるか!」っと憤りを覚えました。ドーピング検査ならわかります。私もドーピング検査にかかわったことがありますが、検査に数時間以上かかります。そして、選手の体や命に係わる問題ですから、試合後の抜き打ち検査という方法は仕方がないと思います。しかし、どんな競技でも、体重が適正か、用具に不正や不備はないか、テーピングや装具なども適正か、などのチェックは試合の前にします。今回の場合も、事前にチェックして、未然に直させることができたはずです。見事な大ジャンプのあと、抜き打ち検査をして、失格はないでしょう。しかも、沙羅選手を含めて、5名の女子選手が同じように失格になったそうです。あきれはてました。
ですが、沙羅選手はすばらしかった。失格を言い渡された50分後、2回目のジャンプに挑み、98.5mという大ジャンプを見事飛びきりました。私は、大変な失意のなか、それでも仲間のために飛んだ見事なジャンプに感動を覚えました。
昨日、沙羅選手は、自身のインスタにコメントを載せました。私も全文読ませてもらいました。すべての人々への謝罪とメダルを奪ってしまった日本チームの仲間に対して自分を責める言葉、そして、それでも自分を支え続けてくれた仲間への感謝の念が綴っていました。その文面の中で、「今後の私の競技に関しては考える必要があります。」という言葉がありました。彼女は、ジャンプ選手を辞めることを考えているのだと思います。そこまで、今自分自身を追い込んでいるのだと思います。今の彼女は、自責の念、失望・絶望、そんな言葉では言い表せない状況だと思います。彼女のインスタの写真が一面真黒だったことがそれを物語っています。
でも、私はきっと立ち直ってくれると信じています。立ち直って、また歩み始めたとき、彼女は、今回の痛すぎる経験を、自分自身の強さ、たくましさにきっと変えてくれると思います。そして、さらに強くなって再びジャンプ台に立ってほしいと願っています。もしたとえ、選手を引退したとしても、彼女は今回の経験は、彼女をより強く、より逞しく、そしてより優しい人に成長させていくと信じています。
少し、高梨沙羅さんの話に熱が入りすぎたようです。
今日、皆さんに伝えたいメッセージは、人生に無駄な経験は一つもないということです。どんな失敗も失望も、どんな悔しさや苦しいことも、乗り越えていくことで、自分の強さ、逞しさ、そして優しさに変えられることができます。
皆さんも、今のコロナ禍で、悔しい思いやるせない思いをたくさん経験していると思います。それらはすべて、皆さんの強さ・逞しさ、そしてやさしさのバロメーターを上げる経験です。決して、あきらめずに前に進んでください。ピンチにこそチャンスがあるのです。そう思って、今のピンチを楽しんでください。今のピンチの時こそ、やるべきことをしっかりやってください。コロナ禍のなかでもできることはたくさんあるはずです。あなたがもっと成長するチャンスです。
最後になりますが、高梨沙羅選手と、生徒の皆さん一人ひとりにエールを送り、私のメッセージとします。がんばれ!
~ 自分の可能性を信じて、夢を叶える ~
こんにちわ!まずは、先週一週間、本当にお疲れさまでした。久しぶりに東海福岡らしいイベントができたと思います。また、この土日、いろんな部活動が全国大会にむけた挑戦をしました。そのなかでも、女子バスケット部が精華女子高校に勝ち、2位以上が確定し、見事3年連続の全国選手権大会であるウィンターカップの出場を決めました。あとで、報告会をしたいと思います。また、男女の駅伝大会も、男子が4位に入り、都大路は逃したもののよくがんばったと思います。女子も部員が少ないなか、女子サッカー部の生徒も参加してくれて、9位と大健闘だったと思います。女子バレーボール部も監督不在の中、県大会に出場し、本当によくがんばってくれました。ラグビー部は初戦を順当に勝ち進めました。次戦もぜひがんばってください。男子サッカー部は、筑陽高校に後半追い上げたものの、残念ながら1対2で惜敗しました。本当に悔しかったと思います。 勝負事は、勝つこともあれば、やはり負けることもあります。勝っても負けても、そのあとどうするかが、大事なことだと思います。特に、負けてしまったあと、その悔しさに、その痛みに、じっと耐えて、乗り越えたときに、その人の心の根が太くなり、心の幅が深くなるときです。勝負事だけではありません、人生においても、うまくいくこともあれば、思うようにいかないこともあります。思うようにいかなかった時こそ、その人自身が、大きく深くなるチャンスだと思います。どうか悔しさや痛みを力にして、次の目標に向かってがんばってほしいと思います。
11月に入りました。3年生はいよいよ進路決定にむけての闘いが始まります。自分の進路に真剣にむき合って、希望の進路をこじあけてください。1.2年生は、勉強に部活動に、まだまだこれから伸びていくことができます。じっくりと学習と部活動にむきあってがんばってください。
今日から、女子が前・男子が後ろの並び方を変えて、出席番号順に並んでもらっています。急に変更したにもかかわらず、このように整然とならんでくれてありがとうございます。先週の小野アイリさんの講演のあと、小野さんと話をしている中で、このように変えようと思いました。皆さんも小中学校のときはそうだったと思います。でも、本校では、以前より女子が前・男子が後ろという並び方が普通でした。言い換えれば、それが、うちの学校のあたりまえでした。ジェンダーの問題だけではなく、何事に関しても、今まで普通だと思っていたこと、あたりまえだと思っていたことも、一度立ち止まって見直していかないといけないですね。本校もここ数年、いろんな改革をして、いろんなことを変えています。もちろん変えられないことも多くあります。ですが、これからも、皆さんと一緒に東海福岡を進化させていきたいと思っています。「あたりまえ」の反対語、覚えていますか。なんでしたか。そうですね。「ありがとう」でしたね。「ありがとう」という感謝の気持ちを忘れないことです。「あたりまえ」のことを「ありがとう」という感謝の気持ちをもって考えることが大切です。もっと感謝できるようになろう、もっと「ありがとう」が多くなるように、がんばろうという気持ちになります。それが、「あたりまえ」のレベルを上げるということです。「あたりまえ」を変えるということは、ルールを変更したり、やり方を変えることだけではありません。負けるのがあたりまえ、できないのがあたりまえ、という意識を変えて、「あたりまえ」のレベルを上げていくことが、大事なことだと思っています。あなたも、「どうせできっこない」「こんなことは私には無理」と思っていることはありませんか。今のあなたたちには、「どうせできないこと」や「無理なこと」なんて、なに一つありません。可能性を自分自身でつぶさないでください。今のあなたに、なれないものはありません。できないことなんて、何一つありません。どうか、自分の可能性を信じて、挑戦してほしいと思います。
さて、今日は建学記念式典です。学園が建学して79周年、本校が創立して55周年を迎えます。このあと記念講演を行います。大嶋啓介さんという方を迎え、「夢を叶える力」というテーマでお話をいただきます。私が大嶋啓介さんに本校に来てほしい、ぜひ講演をしてほしいと思ったのは、私がいつも皆さんに話し続けていることに関係があります。私は、皆さんに「人の笑顔のためにがんばれる人」になってください。といつも言っています。人を笑顔にすると自分も笑顔になります。あなたが何かを成し遂げて、お父さん、お母さんや周りの人を笑顔にするとあなたもうれしいはずですよね。あなたも笑顔になりますよね。いいかえれば、周りの人の笑顔・幸せのために、何かをすることで、自分も笑顔になれる、幸せになれるということです。だから、「マスクの下は、いつも笑顔なのです。」このあとの大嶋啓介さんの講演、きっとあなたの心に刺さる言葉をいただけるお話になると思います。このあとの講演を楽しみにして、私のスピーチを終わります。ありがとうございました。