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東海大学福岡校長先生のブログ

東海大学福岡校長先生のブログ
2019/07/18

『授業評価アンケートより』

校 長 津山 憲司

 

暑中お見舞い申し上げます。本日、1学期終業式を終え、いよいよ明日より夏休みに入ります。また明日は野球の試合4回戦を行われ、本校も全校応援体制で臨みます。頂点を目指し、全校生徒を甲子園まで連れて行ってほしいと思います。

さて、終業式にて1学期授業アンケート結果を発表しました。本校は、生徒の授業満足度日本一を目指しています。その実現のため、生徒の授業満足度を測る授業評価アンケートを、本校の学校改革・授業改革の重要なファクターとして、位置づけています。

今回のトップ10の先生(アイウエオ順)は、伊藤良太、今林清香、岩田祐子、笠井貴伸、笠松高志、江田一生、下園直輝、中村謙三、林紘平、松原崇志でした。10月のアンケート結果を経て、ベストティチャー候補の4名が選ばれ、グッドティチャー6名が決定することになっています。その後、4名の候補の審査授業を経て、ベストティチャーが選ばれます。

今回の全体の平均点は72.2%で、トップ10の先生の平均点は、84.4%でありました。2学期には、生徒の授業満足度が上がり、この平均点も上がるように努めたい思います。

アンケートの各項目ごとに分析すると、1項目が「学習環境整備」についてで平均79.6% 、この項目のトップは高橋文美先生で97.0%でした。2項目が「無気力な生徒への指導」については平均74.5%、トップは同じく高橋文美先生で93.9%。3項目「コンピテンシーの意識づけ」については一番低く平均62.1%、トップが笠井貴伸先生で91.0%でした。 4項目「授業内容の工夫度」については平均73.8%、トップは林英輝先生88.6%。5項目が「アクティブラーニング授業展開度」についてで平均69.5%、トップが笠井貴伸先生で85.9%。6項目が「授業の魅力度」については平均73.8%、トップは岩田祐子生先生で93.2%でした。

生徒の改善すべきコメントとしては、授業のスピードや板書についてが多かったでした。なかには、「アクティブラーニングをとりいれてほしい」「話し合いを増やしてほしい」「生徒に考えさせるような授業をしてほしい」といった本校が目指しているアクティブラーニングを柱とした生徒主体的な授業スタイルを求めるコメントも多くありました。生徒たちは本校が学校全体で授業を改善しようとしていることを感じ、わかる授業、考える授業、楽しい授業、そして積極的に参加する主体的な授業を求めてくれているということです。

授業の良いところのコメントでは、「楽しい」「毎回ワクワクして受けている」「説明が具体的でわかりやすい」「先生のおかげで教科が好きになった」「授業が明るい空気を作ってくれる」「アクティブラーニングが楽しい」「授業を改善していこうという意気が感じられる」「パワーポイントやタブレットを使ってわかりやすい」など。生徒が楽しい、わかりやすい、教科が好きになるといった授業が、やはり生徒の満足度が高い授業と言えます。

今回の生徒による授業アンケートの結果を、コメントも含め、それぞれの教員がしっかりと受けとめて、2学期に向けて授業改善に努めたいと思います。

次に、ベストクラス賞について、総合ベストクラスは1年9組でした。進学I類コースベストクラスは1年1組、進学II類コースのベストクラスは3年8組、 スーパー特進コースベストクラスが2年9組となりました。これは、全教員が自分の担当しているクラスについて、授業マナーや、授業に対する参加度・積極性、また仲間との協力度などの項目で、アンケートをとって決めます。全体の1番を総合ベストクラス。そしてそのクラスを除いて、それぞれのコースごとに学年関係なしに1番すばらしいクラス、合わせて4クラスを表彰するものです。

本校では、昨年度より身につけるべき七つの学力「コンピテンシー」を定めました。その「コンピテンシー」を身につけるための授業手法として、アクティブラーニングを推進してきました。そして、授業での10項目の約束事「Xの約束」を決めました。その「Xの約束」を基に生徒による授業評価アンケートと教師による授業クラスアンケートができています。

本校の授業は、先生と生徒が協働して創りあげるものです。東海福岡のそれぞれの授業を変化させて、東海福岡の授業全体を進化させたいと思っています。そして、東海福岡のオリジナル授業文化を構築したいと思っています。それが、これからの時代を切り拓く生徒たちの力になっていくものと信じています。

 

明日から夏休みに入ります。補習や部活動などそれぞれの分野で大いにチャレンジして欲しいと思います。そしてこの夏が終わった頃には逞しく成長していて欲しいと願っています。熱中症など身体に充分に気をつけて元気で夏を乗り切ってください。

皆さんのご健勝をお祈りしています。

 

2019/05/01

『令和』という新たな時代へ

校 長  津山 憲司

 「令和」という新しい時代がいよいよスタートしました。「初春の令月にて、気よく風和らぎ、」という万葉集の一説が典拠となった文字です。「令月」というのは、厳しい寒さに耐えて、見事に咲き誇る梅の花ように、それぞれの花を大きく咲かせる。という解釈だそうです。私は、本校のスローガンである「Be the No.1!」とよく似た解釈の漢字だと思いました。ナンバーワンをめざし、厳しさを乗り越えることで、真のオンリーワンに成長し、自分だけの美しい花を咲かせる。まさに、「令和」の「令」と同じ意味であります。そして、「令和」の「和」とは、平和の日々に心からの感謝の念を抱き、希望に満ちあふれた新しい時代を共に切り開いていく決意を表しているそうです。まさしくチーム力で新しい未来を切り開くという「Team Tokai Fukuoka!」本校のスローガンにぴったりと当てはまっています。すなわち、これから皆さんが進もうとする「令和」という時代に、本校の「Be the No.1!」「Team Tokai Fukuoka!」というスローガンは、まさに先駆けと言えます。本校は、「令和」という新しい時代を堂々と生きていく力を育てていく学校であります。

 

では、「令和」という新しい時代とはどんな時代でしょうか。現在の社会情勢は、SNSの普及やAI(人工知能)・ロボットなどがどんどん社会に進出してきています。また、外国人労働者とその家族とが共生できるグローバルな日本社会になることが求められています。これからの日本社会は、変化ではなく「進化」を遂げようとしているのかもしれません。

そんな進化する日本社会では、今後10年間で現在の職業の約50%がなくなると言われています。昨今のスーパーマーケットではセルフレジが着実に増えてきました。近いうちには、タクシーやトラックのドライバーが自動運転に変わり、電話のオペレータもSiriにとって代わっていくことでしょう。スポーツの分野でも、プロ野球でリクエストというVTRの判定システムやバレーボールやテニス、ラグビーでも画像での判定システムが採用されています。いづれはスポーツの審判もAIに代わっていくことになるでしょう。しかし、職業がなくなっていくことは今に始まったことではありません。30年前の職業がどう変わってきたかを考えてみると、商店は大型ショッピングセンターに、街の電気屋さんは量販店に代わってきました。以前の駅の改札では、駅員さんが切符を切っていましたが、今はどこも自動改札になっています。でも、現在でも駅には駅員さんが必要です。切符を切っていた仕事から、機械を扱って切符を発行したり、さらに高度な技術が必要な仕事や適切な接客対応が求められています。そうなんです、いつの時代でも、技術革新や社会変化で職業が消えて行ったり、また新たな職業が生まれたりしています。大事なことは、その変化に適応していく力を身につけることだと思います。

「進化論」を唱えたダーウィンの言葉に、「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」とあります。すなわち、これからの時代で大事なことは変化に適応することであります。そして、その変化に適応するためには、自ら考え行動できる「主体的な力」を培うことだと思ってます。「主体的な力」とはなにか。それは、「自分で状況を判断して、ある目的に向かって、自ら責任をもって効果的な行動をとることができる力」のことなのです。

 

私は、「学校があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが学校に何ができるのか」・「授業があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが授業にどうかかわっていけるのか」・「チームがあなたに何をしてくれるのではなく、あなたがチームのためにどんな貢献ができるのか」ということを、深く考えてほしいと思っています。「自分が何ができる」、「自分自身」を主語にできるような主体的な考え方を持つことが肝要です。「自分が、学校に・日々の授業に・クラス活動に・クラブ活動に、そして友人や仲間に、どうかかわっていけるのか」ということを考えて、自らの行動で示してほしいと思います。皆さんにとって、日々の授業や部活動のなかで、人間力を培うという目的のために、自ら考え自ら責任をもって行動することこそが大事なことなのです。そして、「令和」という新たな時代に向かって、皆さん自身が変化に適応して「進化」を遂げ、人間力に満ちた堂々たる人生を歩んでほしいと願っています。

2019/04/06

2019年度入学式 校長告辞

 

桜花爛漫、そんな言葉がピッタリとくる日になりました。先日来の花冷えの気候が幸いし、校庭の桜の花が皆様の入学を待ちわびていたように咲き誇っています。本日、ここに東海大学付属福岡高等学校 54回入学式を挙行できることは、誠に喜びにたえないところでございます。

ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた393名の新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。特に、福岡県の数ある高校から、また日本の数ある高校から、本校を進学先として選んでくれて、ありがとう。皆さんのご入学を私たち教職員一同、心より歓迎いたします。

また、校務ご多用中にもかかわらず、ご臨席いただいております、宗像市教育長の高宮様、福津市教育長の柴田様、日本赤十字九州国際看護大学の田村学長先生そして中学校の校長先生、地域コミュニティー運営協議会会長様をはじめ、多くのご来賓の皆様に、厚く御礼申し上げます。

さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。また、本校では、皆様のお手元の入学式次第の裏表紙に載せております、スクールスローガン・スクールポリシー・そして、スクールゴールという明確な設定のもと、教育活動を展開しております。

スクールスローガンとは、本校のイメージを簡潔に言葉で表した言葉です。本校を一言で表すと、「Team Tokai Fukuoka!」、本校では、あらゆる活動をチーム力団体戦で取り組み、仲間と共に未来を切り開き、そして仲間や周りの人へ感謝の心を育てる。ひとつのチームのような学校をめざしています。二つ目は、「Be the No.1!」 厳しさを乗り越え、高い志と大きな夢に挑戦することでナンバーワンをめざし、たとえナンバーワンになれなくとも、真のオンリーワンに成長できる教育です。そして、三つ目が「The hero is you!」生徒が主人公になる活動を通して、すばらしい大人に育てる教育を展開しています。

先日、「令和」という新しい元号が発表になりました。「初春の令月にて、気よく風和らぎ、」という万葉集の一説が典拠となった文字です。「令月」というのは、厳しい寒さに耐えて、見事に咲き誇る梅の花ように、それぞれの花を大きく咲かせる。という解釈だそうです。私は、本校のスローガンである「Be the No.1!」とよく似た解釈の漢字だと思いました。ナンバーワンをめざし、厳しさを乗り越えることで、真のオンリーワンに成長し、自分だけの美しい花を咲かせる。まさに、「令和」の「令」と同じ解釈であります。そして、「令和」の「和」とは、平和の日々に心からの感謝の念を抱き、希望に満ちあふれた新しい時代を共に切り開いていく決意表しているそうです。まさしくチーム力で新しい未来を切り開くという「Team Tokai Fukuoka!」本校のスローガンにぴったりと当てはまっています。

すなわち、これから皆さんが進もうとする「令和」という時代に、本校の「Be the No.1!」「Team Tokai Fukuoka!」という考え方は、まさに先駆けと言えます。安心して本校に飛び込んできてください。「令和」という新しい時代を堂々と生きていく力を本校は必ず育てていきます。

では、「令和」という新しい時代とはどんな時代でしょうか。現在の社会情勢は、SNSの普及やAI(人工知能)・ロボットなどの社会進出によって、どんどん変化していこうとしています。いや、変化ではなく「進化」を遂げようとしているのかもしれません。そのような社会情勢のなか、私が新入生の皆さんに望むことは、「主体性」だと思っています。第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの就任演説の中で有名な一説があります。「国があなたのために何をしてくれるではなく、あなたが国のために何ができるのかを考えようではありませんか」という言葉です。

皆さんに当てはめると、「学校があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが学校に何ができるのか」・「授業があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが授業にどうかかわっていけるのか」・「チームがあなたに何をしてくれるのではなく、あなたがチームのためにどんな貢献ができるのか」を強く考えてほしいと思っています。「あなたが何ができる」いや「自分が何ができる」「自分自身」を主語にできるような主体的な考え方を持ってほしいと思っています。「自分が、学校に・日々の授業に・クラス活動に・クラブ活動に、そして友人や仲間に、どうかかわっていけるのか」ということを、「自分が」を主語にして高校生活大いに挑戦してください。

皆さんが主体的に挑戦する目標として、本校では三つのスクールゴールを設定しています。それは、授業 日本一、部活動 日本一、挨拶と笑顔 日本一という三つのゴールです。まずは、授業日本一とは、授業に皆さんが主体的に参加して、こんなことがわかるようになった、こんな力がついた、こんな考え方ができるようになった、という授業に対する満足度が日本一ということを目指しています。本校は部活動も盛んな学校です。いろんな部活動がめざましい成果を出してくれています。もちろん、全国制覇・日本一を果たす部活動が出てきてくれることは、大変うれしいことであります。しかしながら、本校の部活動の目的は、人間教育にあります。部活動を通して逞しい大人に育てることこそ、部活動の本当の意義です。そういった意味で、部活動日本一という目標は、部活動を通した人間教育、部活動を通した成長こそが日本一というゴールです。私は本校生徒の挨拶は日本一の挨拶であると自負しています。きちんと立ち止まって、相手にしっかり体の正面を向けての挨拶を習慣づけています。また、笑顔は内面から自然とでるもので、人を幸せにするものです。私は、本校の挨拶に心からにじみ出る笑顔が加われば、日本一の挨拶と笑顔になると思います。

このような三つのゴールを目指して、高校生活において、主体的に努力を重ねることで、どこの世界でも通用する人間力を身に付けることができます。人間力を育てることは、本校のスクールポリシーすなわち本校の教育の根本・原点であります。

 

そこで培った人間力は、きっと将来社会に出て、誰かの力になる、困っている人を助ける。苦しんでいる人を救う、迷っている人を導く、そういった人のために尽くすことができる人に育っていくことだと信じています。皆さんが、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さん自身の力となり、皆さん自身の喜びとなり、皆さん自身の幸せにつながることとなります。どうか、人のために尽くすことが、自分の幸せと感じられる人に成長してください。

最後に、保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。

私ども教職員一同は、お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づく進路に繋げるため、私たち教職員一同、ひとつのチームとなって取り組んでまいります。本校は学校改革の真っ最中であります。アクティブラーニングを柱とした授業改革。挨拶・人への思いやり・マナーなどを、普通のレベルからさらにもっと高いレベルに引き上げる改革。また、教師の働き方改革や部活動改革にも着手していきます。そういった改革も、教職員と生徒そして保護者の皆様との信頼関係が肝要になると思っています。保護者の皆様には、ぜひご理解をいただき、学校を信頼していただきたいと思っております。より良い教育には保護者の皆様のご協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただくことを、お願いいたしまして、私の「告辞」といたします。

 

2019年4月6日

 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司

2019/03/08

2018年度 卒業証書授与式 校長告辞

 

卒業生の門出を祝うような温かい春の陽ざしが差し込んでいます。この宗像の地にも、ようやく春の訪れが感じられるようになりました。本日ここに東海大学付属福岡高等学校の第51回の卒業式を挙行できることは、誠に喜ばしいことでございます。

また、校務ご多用の中にもかかわらず、ご臨席いただいております県議会議員吉武邦彦様、宗像市教育委員会より阿部様・福津市教育員会より柴田様、そして中学校の校長先生、地域コミュニティ会長様をはじめ、多くのご来賓の皆様に、厚く御礼申し上げます。

さて、今呼名されました304名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの卒業を教職員一同、心より嬉しくかつ誇らしく思っております。また、保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。

 

思い起こせば3年前、皆さんが本校の門戸を叩かれたときには、本校は東海大学付属第五高等学校から、東海大学付属福岡高等学校と校名変更した年でありました。いわば皆さんは、東海大福岡高校の最初の入学生であったわけです。皆さんはこの3年間新しい東海大福岡高校という看板を背負って頑張ってくれました。日本一の挨拶・校内外の美化活動、皆さん一人ひとりの身だしなみ、そしてなによりさわやかな笑顔。そういった小さいひとつひとつの積み重ねが東海大福岡高校の新しいイメージ・伝統になったのだと思います。そのお陰で、東海大福岡高校の名が地域に定着することができました。部活動の活躍も大きな力となりました。皆さんが1年生の時には野球部が32年ぶりに春の選抜甲子園に出場し、ベスト8となりました。また、2年生の時には、男子駅伝チームが、強豪伝統校を破り、初優勝し、年末の京都都大路を初めて疾走してくれました。3年生になって女子バスケット部と女子サッカー部がインターハイに出場、個人でも柔道・陸上でインターハイに出場してくれました。また、文化系クラブでも吹奏楽部が創部以来初めて九州コンクールに出場し、すばらしい演奏を奏でてくれました。そして、今年になって女子サッカー部が全日本選手権大会3位という輝かしい歴史を作ってくれました。その栄光は、様々な部活動、いやチーム東海福岡全員に大きな自信と勇気をあたえてくれました。いろんな部活動が、いろんなところで東海大福岡の看板と誇りを背負って、活躍してくれました。競技内容だけではなく、競技外での行動や立ち居振る舞いも大変評価されています。まさに、皆さんが、周りに目配り気配り心配りができる人に成長をしてくれたと思っています。

 

さて、皆さんが今日、本校を巣立ち、羽ばたいてむかう社会は、どんな社会でしょうか。AI人工知能やセルフレジなどのロボットが日常に加わる社会がもうすぐそこまで来ています。どうか、AIやロボットに負けないでください。どんな知能や利便性も超越する、人間力で勝負してください。本校のスクールポリシーは、「人間力を育てる」ことです。皆さんは、高校生活3年間でその人間力を培ってきたと思います。どうか、これからも、豊かな人間性を磨き、社会実践力を高め、そして、どんなことにもくじけない強い心、気概をもって、堂々たる人生を歩んでほしいと願っています。

 

つい先日、最後の現代文明論として、皆さんにお話しをしたこと、覚えていますか。若き日にで始まる四つの言葉の通り、皆さんのこれからの長い人生において、若いときの経験や人との関わりのなかで培ったこと、養ったこと、磨き上げたことが、自らの生き方や人生観の根本となり、人生の拠り所となるのですよ。という話でした。皆さんは、これからの人生において、いろんな競争に巻き込まれることがあると思います。また、いろんな挑戦をしていくことになると思います。うまくいくこともあれば、うまくいかないことも多いでしょう。勝つこともあれば、負けることも多くあります。それが人生を生きていくということだと思います。そんな人生の中で、決して忘れないでほしいことがあります。それは、常にひとと共に生きているという人生観・生き様の根本です。人を制圧するのではなく、人と共に生きるという温かい人間性を、どうか生き様の中心においてください。人とともに生きるという温かい人間性は、必ずや人のために尽くせる生き方につながると思っています。どんな勉強も、どんなスポーツも、そしてどんな仕事も、すべて人を幸せにするためにあるということを、決して忘れないでください。

皆さんのこれからの人生において、誰かを幸せにするために生きる。誰かの役に立つために生きる。誰かを救うために生きる生き様をどうか貫いてください。そして、人の幸せのために尽くせることこそが、自分自身の幸せと感じられる人になってください。

 

最後に、皆さんに伝えたいメッセージがあります。皆さんは「故郷に錦を飾る」という言葉をご存知ですか。将来、成功して、有名人になって、晴れがましい思いで故郷に帰るという意味です。よく、オリンピック選手や、何かに成功した有名人が、出身校に帰って、報告会や講演会を開くことがあります。「母校に錦を飾る」などと、マスコミは報道しています。私はこの卒業生の中に、将来、大きな夢を叶えて、本校に戻って講演をしてくれるような人が、出てきてほしいと願っています。でも、私が本当に願っていることは、「母校に心のよりどころ」を求めに戻ってきてほしいと思っています。皆さんが、将来、仕事に行き詰って疲れ果てたとき、人間関係で傷ついて悩んでしまったとき、大きな悲しみにうちひしがれたとき、どうしようもできないときこそ、母校に戻ってきてください。母校とは、いつまでも皆さんの心の風景に刻みこまれているはずです。自分が高校時代を過ごした校舎、体育館、グラウンド、校庭にきて、その時と同じ空気を吸ってみてください。同じ景色を見てください。きっと、高校時代の自分自身を思い出し、生きる力、前に歩む力が湧いてくることでしょう。疲れ悩み、苦しみの中にいるときこそ、心の風景に刻まれている母校にきて、空気を感じてください。景色をながめてください。きっと皆さんは心のよりどころを確認できて、そして一歩前に歩める力が得られるはずです。母校はそのためにあるものです。いつでも皆さんの心の風景のままでいますので、遠慮なく帰ってきてください。これが、私が皆さんに最後に伝えたいメッセージです。

 

それでは、卒業生の皆さん、気概をもって堂々たる人生を歩んでください。皆さんの限りない前途を祝福して、私の告辞といたします。

 

2019年3月2日

 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司

2019/02/10
2019/01/09

『誇り高きサッカー乙女たちよ!』

校 長  津山 憲司

 2019年1月7日夕刻、神戸ユニバ記念競技場、準決勝を戦い終えた本校のサッカー乙女たちがスタジアムから出てきました。一種清々しい表情の選手たちは、待ち受けていた応援部員たちと抱き合い絡み合いながら、笑いが絶えない時間が続きました。先ほどまで、あんなに闘志をむき出しにして戦っていた選手が、乙女の姿に戻っていました。そこには、ある種心地よいやりきった感が漂っていました。全国第3位。胸には‘金と同じ’「銅」メダルをかけています。今回の快挙は、東海福岡の新たな歴史の1ページを刻み込んでくれたと思います。

 全国大会で、サッカー乙女たちはどんな景色を見たのでしょうか。1回戦、初の全国大会1勝を挙げたとき、どんな景色だったでしょうか。ベスト8に入ったときの景色は。そしてベスト4に這い上がったときの景色は、どんなにすばらしかったでしょうか。大きなスタジアム・試合前の緊張感・ロッカールームの雰囲気・芝のにおい・そして張り裂けそうな応援の声とその想い。きっとベスト4に入ったチームにしか見られないすばらしい景色が広がったことでしょう。その景色を決して忘れないでください。そして、またすばらしい景色を見るために、未来にむかってそれぞれが歩んでいって欲しいと思います。

 我々チーム東海福岡の生徒・教職員の全員が、皆さんが見た景色を一緒に想像できたと思っています。自分たちの仲間が全国3位になったことは全員の誇りです。全員に、「自分たちも全国トップをめざし、できるんだ!」という勇気と希望を与えてもらえました。チーム東海福岡全員が、それぞれのNO.1をめざしてがんばれる力をもらったと思っています。本当にありがとうございました。

 最後に、女子サッカーの皆さんは、普段からグラウンド内でもあるいはグラウンドの外でも、いつもすばらしい行動・立ち振る舞いでありました。練習中の取組み・練習準備や道具の運搬、挨拶・清掃そして笑顔。どれをとっても全国トップレベルでした。ですので、今回の全国ベスト4は本物であり、本当に心から応援したいチームでありました。そして、まさに“誇り高きサッカー乙女たち”でありました。

全国選手権大会第3位、おめでとう! そしてありがとう!

2019/01/03

2019年新年メッセージ 『進化』        校長 津山憲司

 

 明けましておめでとうございます。

 2019年(平成31年)がスタートしました。今年は「平成」最後の年となります。新たに元号が改められ、まさに新しい時代に変わっていこうとしています。現在の社会情勢は、SNSの普及やAI(人工知能)・IOT(モノのインターネット化)などの社会進出によって、どんどん変化していこうとしています。いや、変化ではなく「進化」を遂げようとしているのかもしれません。そういった社会情勢の中で、我々の価値観や考え方も変わっていかなければなりません。古い慣習や価値観から、勇気をもって新しい考え方に挑戦していかねばなりません。それが「パラダイムチェンジ」(今までの価値観や考え方を劇的にチェンジすること)ということです。

 

 本校が進化するために、私が本校の生徒の皆さんや教職員に望むことは、「主体性」だと思っています。第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの就任演説の中で有名な一説があります。「国があなたのために何をしてくれるではなく、あなたが国のために何ができるのかを考えようではありませんか」と述べ、さらに「私たちは、今までになかったものを夢見る人々を必要としている」と訴えています。今の時代にこそ重要な意味があると思います。誤解を恐れずに言うと、「学校があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが学校に何ができるのか」・「授業があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが授業にどうかかわっていけるのか」・「チームがあなたに何をしてくれるのではなく、あなたがチームのためにどんな貢献ができるのか」を強く考えてほしいと思っています。

 

本校のスローガン「Team Tokai Fukuoka」、本校は「グループ」ではなく「チーム」です。「グループ」とは単なる人の集団を意味しますが、「チーム」はある目的のために目標にむかって進む集団を意味します。ですので、「仲良しグループ」とは言っても、「仲良しチーム」とは言いません。また、「強い絆で結ばれたチーム」と言っても、「強い絆のグループ」とは言いません。本校は「チーム」です。「高い人間力をつける」という目的のために、授業や部活動、イベントなどにおいてそれぞれの目標にむかって進む「チーム」なのです。

 

今年は授業改革2年目です。また、部活動改革や教員の働き方改革にも着手しようとしています。「チームがあなたに何をしてくれるのではなく、あなたがチームのために何ができるのか」という「パラダイムチェンジ」することこそが、皆さん一人ひとりの「進化」に繋がっていくと信じています。

2019年が、皆様方にとって健康で明るい年になることを、また「進化」する年になるように願っています。

 

最後に、女子サッカー部の皆さん、明後日からの全国選手権大会での健闘を大いに期待しています。頑張れ!

2018/11/12

『あっぱれ! 「なでしこTokai Fukuoka」』

 

本校の女子サッカー部が、冬の全国選手権大会出場を懸けて沖縄で行われた女子サッカー九州大会を戦いました。結果は3位となりました。

 

金と同じ値打ちの見事な銅メダルです。その大会の中でも、特に大分県代表の柳ヶ浦高校との準々決勝は、全国大会を懸けた大一番であり、お互いに気持ちが前面に出た一歩もひかない好ゲームでありました。両チームの攻防を見ている誰もが手に汗握る試合でありました。結果1対0で競り勝ち、全国女子サッカー選手権大会に2年連続3度目の出場を決めてくれました。チーム全員で勝ち取った勝利であります。本当によくやったと思います。

 

全国大会出場を勝ちとることのできるチームはほんの一握りです。多くのチームや高校は、一歩手前で残念にも夢破れてしまいます。だからこそ、今回の出場権を懸けた試合は、なによりも重く価値ある勝利だったと思います。女子サッカー部のみなさん、本当におめでとうございます。

 

私が応援のため沖縄に入ったのが、準々決勝の試合当日の朝でした。すぐに試合会場に到着すると、今回の女子サッカーの遠征をお手伝いしていただいているラド観光の原田さんから、こんな話を伺いました。「チームが沖縄入りした翌日、ある総合運動公園陸上競技場を借りて試合前日の練習をした際に、その競技場の管理責任者の方からお褒めの言葉をいただきました。『こんな気持ちのいいチームは初めてです。グラウンド準備の手際の良さ、練習後の後片付けも非常にスムーズ。何よりみんな立ち止まって気持ちのよい挨拶が最高です。本当に素晴らしいチームです。ぜひ頑張ってください。』と。」

 

これが勝利の秘訣であり、勝利する者の値打ちだと思います。関わっていただいたすべての方から応援されるチームなんだと思いました。このことは、一朝一夕に備わることではありません。来る日も来る日も気持ちのスイッチを入れて練習を重ねボールを蹴り続けることで、ようやくその成果が試合に出るのと同じです。日々の行動、日々の挨拶、一つひとつ言動の積み重ねが、自然と立ち振る舞いに擦り込まれる。そしてそのことが、今回のお褒めの言葉に繋がったのだと思います。

 

さあ、来年お正月の全国大会まで、グラウンドでの準備はもちろんですが、グラウンド外での準備も怠ることなく重ねて、全国大会まずは初勝利を期待しています。また、皆さんの気持ちのよい行動や挨拶は、本校の他の部活動やたくさんの生徒たちもできていることです。要するに、チーム東海福岡全体の行動、挨拶であるともいえます。皆さんが褒められることは、チーム東海福岡が褒められることでもあります。そういった意味でも、皆さんがチーム東海大福岡の代表として、全国のステージのグラウンド内外で、大いに活躍してほしいと願っています。

 

あっぱれ! 「なでしこTokai Fukuoka!」 よくやった!

 

2018/11/05

東海大福岡の『敗れざる者たちへ』  

〜“真に敗れていない君たちへ”のメッセージ〜

校長 津山 憲司

 

どんなスポーツにおいても、必ず選手としての引退の時がくる。高校における部活動では、なおさら突然で残酷な引退の時が毎年やってくる。2年と数ヶ月、自分の青春をかけて、朝早くから夜遅くまで打ち込んできた。甲子園、国立競技場、花園、日本武道館、、、福岡でナンバーワン、九州でナンバーワン、全国制覇。それぞれのナンバーワンを目指し、本当に日々努力を重ねてきたと思う。

しかし、多くの高校生は目標に届かず、夢半ばにして敗れていく。しかも試合に出られた者はまだ幸いかもしれない。スタンドで必死に応援をして高校スポーツを終えた者も少なくはない。高校スポーツは一度きりである。もう一度やりたい、もう一度甲子園へチャレンジしたいと願っても、卒業すれば二度とチャンスはやってこない。だからこそ、高校スポーツは美しく尊いのかもしれない。それだけではない。皆さんが必死にやってきた日々って、かけがえのない大きな意味がある。周りの仲間にとって、後輩たちにとって、指導者にとって、応援するすべての人にとって、皆さんの家族にとって。そして何より自分自身にとって大きくて深い意味がある。負けて悔しくてどうしようもないこと。できることならもう一度あの瞬間に戻りたいなどと、叶わないことを心で願ってしまうこと。すべてかけがえのない貴い意味がある。

 

では、かけがえのない貴い意味ってどんな意味なのか。

実はね、その意味を探すことこそが、皆さんにとってこれからの人生において大きな意味があると思う。現在の競技をさらに極めることも意味があるだろう。また別の世界で新たに勝負することも意味があるだろう。また、はっきりとしたステージは見えないけれど、その意味を探して彷徨うこともよしかもしれない。私の経験から言えることは、人生において、うまくいくことよりうまくいかないことの方がはるかに多いように思う。勝つことより負けてしまうことの方が多い。いや、実は人生は負けることの連続なのかもしれない。でもね、どんなに悔しくとも、どんなに辛くとも、どんなに苦しくとも、明日はまた必ずやってくる。どんなに辛くとも、訪れた明日を必死にもがきつづけなければならない。言い換えれば、明日に向かってもがきつづけることができていれば、まだ真に敗れていないということだ。

 

今回のテーマ『敗れざる者たちへ』は、明日に向かってもがきつづける、そんなまだ真に負けていない君たちに対するメッセージ。もがきつづける限り、真に敗れてなどいない。

東海大福岡の『敗れざる者たち』よ、どんなに辛くても必死にもがきつづけよ!  

 

そして、いつか人生での真の勝利を勝ちとれ!

2018/08/07

ガンバレ! Team Tokai Fukuoka

  

猛暑が続いていますが、みなさん元気に頑張っていますか。

私は、先日女子バスケットボールのインターハイの応援で名古屋にいて気温40度越えを経験しました。

まだまだ残暑が続きます。健康に充分に留意してください。

  さて、インターハイの結果が出てきました。女子サッカー部は、残念ながら初戦の日ノ本高校に惜敗をしました。本チーム公式戦初の黒星でした。初めて部員たちの悔し涙を見ました。対戦相手の日ノ本高校は、インターハイ6回出場中5回優勝という超強豪校でした。今回の大会も準優勝でした。逆に言えば、本校女子サッカー部にとって、全国の頂点を経験できた貴重な大会だったのではないでしょうか。冬の全国選手権に向けて、今度こそ全国の頂点を目指し、さらなる飛躍を期待しています。

 

  女子バスケットボール部は、日本で一番暑い愛知県で、熱い闘いをしてくれました。初戦の名古屋女子高校に見事な逆転勝ち。本当に素晴らしい試合でした。2回戦の東京成徳大高校には敗れたものの、全国大会で勝利した経験は、冬の全国選手権に向けてまた本チームにとって大きな財産になることでしょう。

  

陸上競技大会では、女子1500Mでは残念ながら決勝進出はなりませんでした。藤岡さんは来年またチャレンジしてほしいと思います。女子3000Mでは、菅田さんが1500Mでの悔しさを晴らし、決勝進出を決めてくれました。レースが終わり、菅田さんが応援に駆けつけた部員と対面した第一声が「みんなのお陰で勝てました!」という感謝の言葉でした。

本当に素晴らしく清々しい気持ちが伝わりました。また、男子5000Mでは、キムンゲサイモン君が決勝で見事4位入賞を果たしてくれました。おめでとうございます。北部九州大会では、後半失墜して悔しい思いをしていたと聞いていました。その雪辱を晴らせたことと思います。冬の全国駅伝大会を期待したいと思います。

  

もう一つ、素晴らしいニュースが入ってきました。吹奏楽部が福岡県コンクールで銀賞に輝き、九州吹奏楽コンクールへの出場が決定しました。なんと九州吹奏楽コンクールは創部以来初出場だそうです。昨年の地区大会突破からの1年で九州に抜けたという快挙です。昨年、福岡県コンクールへの出場が決まった際にこのブログでも書かせてもらいましたが、7年前わずか19名の部員での魂のこもった堂々たる演奏。そこが徳永吹奏楽部の原点であったと思います。さあ、九州コンクールでも、その原点を忘れないように、魂のこもった演奏を聴かせてほしいと思います。

  

今日から学園オリンピックも始まりました。9日には柔道部田中陸君のチャレンジが始まります。全生徒一人ひとりが、それぞれの熱い夏をどうか自らの強い意思で乗り越えてください。Team Tokai Fukuoka! ガンバレ!

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