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東海大学福岡校長先生のブログ

卒業式 校長告辞

2020/03/02

卒業式 校長告辞

 

本日ここに東海大学付属福岡高等学校第52回卒業式を挙行できることは、誠に喜ばしいことでございます。今、呼名されました366名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんの入場からの様子を見ていますと、卒業式を決行することができたこと、本当に良かったと思っています。皆さんの卒業を教職員一同、心より嬉しくかつ誇らしく思っております。

保護者の皆様におかれましては、3年間本校の教育活動に対しまして、ご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございました。また、急な日程変更にもかかわらず、ご参列いただき、重ねてお礼申し上げます。本日、お子様の卒業をお迎えし、感無量の思いだと拝察いたします。誠におめでとうございます。

 

 皆さんはこの3年間東海大福岡高校という看板を背負って頑張ってくれました。日本一の挨拶・校内外の美化活動、皆さん一人ひとりの身だしなみ、そしてなによりさわやかな笑顔。そういった小さいひとつひとつの積み重ねが東海大福岡高校の新しいイメージ・伝統になったのだと思っています。

部活動の活躍も大きな力となりました。女子バスケットボール部がウィンターカップに初出場し、新たな歴史を作ってくれました。昨年12月の終業式のとき、ここ体育館でまさに試合中のインターネット配信をスクーリーンに映して、みんなで応援したことも記憶に新しいところです。 

また、女子サッカー部が昨年に引き続き、全国選手権大会に出場し、見事ベスト8となりました。昨年のベスト4には一歩届きませんでしたが、2年連続全国選手権での上位進出、全国の強豪校・常連校の地位を確かなものにしたと思います。

そして、男子剣道部が玉竜旗という全国大会で第3位という輝かしい結果を残してくれました。日々の厳しい鍛錬が全国3位というすばらしい結果に表れました。本当に全校生徒に勇気と希望を与えてくれましたと思っています。

また、文化系クラブでも吹奏楽部が一昨年九州コンクールへの出場を果たし、今年の夏も高文連全国大会出場を決めています。3年生の皆さんが、そういった出場の礎を担っていたと思っています。本当に、学校内外でめざましい活躍をしてくれました。

たくさんの部活動が、いろんなところで東海大福岡の看板と誇りを背負って、懸命に闘ってくれました。競技内容だけではなく、競技外での行動や立ち居振る舞いも大変評価されています。まさに、皆さんが、人のために体を張れる・誰かのために行動ができる人に成長をしてくれたと思っています。

 

さて、昨今、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されております。未知のウイルスに個人レベルで対抗するのは、予防と免疫力だと言われています。その免疫力をあげるためには、食生活や運動、そしてストレスをためないことなどがあげられます。何より、普段の生活から免疫力を上げておくことが、大事なことだと言われています。

私が皆さんに伝えたいことは、人生においても、人生の免疫力を上げることが大事なことだということです。人生にはいろんなことが起こってきます。うまくいかない事や困難にぶち当たること、どうしようもできない悲しいことや挫折に打ちひしがれること。私は若いうちに多くの挫折を味わうことが人生の免疫力を上げることだと思っています。誤解しないでください。皆さんに挫折の人生を送れとは言っておりません。しかし、若い時、特に10代20代の時に、たくさんの挫折を経験することが、人生の免疫力を上げる唯一の方法だと思っています。人生の免疫力がないいまま40代を迎え、その時になって大きな挫折をしたら、立ち上がることは相当困難なことでしょう。若い時に、温室の内ではなく、いろんな空気に接し、人生の免疫力を上げていれば、その後の人生において未知なるできごとや、どんな困難な出来事にぶち当たっても、免疫力で乗り越えることができるはずです。

皆さんも本校での3年間のなかで、うまくいかなかったことがたくさんあったと思います。悔しくて悔しくて涙をながしたこと、たくさんあったと思います。でもそれでいいんですよ。それが皆さんの人生の免疫力になってるんですよ。これから人生で挫折したとき、きっと高校時代の経験が免疫力となってくれるはずです。

一昨日、皆さんに、たくさんの恋をしてください。という話をしましたね。皆さんのこれからの人生で素敵な恋に出逢ってください。でもね、できれば哀しい失恋・辛い失恋も味わってみなさいという話をしましたよね。ここでは言えないお話もしましたね。要するに、失恋という挫折が人生の免疫力になるということです。恋だけではありません。スポーツ、芸術、学問、いろんなことにチャレンジしてください。たくさんの目標をもち、たくさんの望みを抱き、たくさんのことに挑戦をするのです。もちろん、成功する経験もたくさん味わってほしいと思いますが、目標が達成できなかったとき、望みが挫かれたとき、挑戦に敗れたとき、そんな挫折を味わったときこそ、人生の免疫力をあげる最大のチャンスなんだと受け止めて乗り越えてください。

 

これからの日本社会は少子高齢化、外国人労働者とそのご家族の増加、AIやロボットの進出など、未だ日本社会として経験していないことが今後起こってくるでしょう。でも、決して負けないでください。人生の免疫力を上げて、タフな人生を力強く歩んでください。

これが、私が皆さんに伝えたい最後のメッセージです。

 

それでは、卒業生の皆さん、気概をもって堂々たる人生を歩んでください。皆さんの限りない前途を祝福して、私の告辞といたします。

 

2020年3月1日

東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司

 

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