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東海大学福岡校長先生のブログ

『令和』という新たな時代へ

2019/05/01

『令和』という新たな時代へ

校 長  津山 憲司

 「令和」という新しい時代がいよいよスタートしました。「初春の令月にて、気よく風和らぎ、」という万葉集の一説が典拠となった文字です。「令月」というのは、厳しい寒さに耐えて、見事に咲き誇る梅の花ように、それぞれの花を大きく咲かせる。という解釈だそうです。私は、本校のスローガンである「Be the No.1!」とよく似た解釈の漢字だと思いました。ナンバーワンをめざし、厳しさを乗り越えることで、真のオンリーワンに成長し、自分だけの美しい花を咲かせる。まさに、「令和」の「令」と同じ意味であります。そして、「令和」の「和」とは、平和の日々に心からの感謝の念を抱き、希望に満ちあふれた新しい時代を共に切り開いていく決意を表しているそうです。まさしくチーム力で新しい未来を切り開くという「Team Tokai Fukuoka!」本校のスローガンにぴったりと当てはまっています。すなわち、これから皆さんが進もうとする「令和」という時代に、本校の「Be the No.1!」「Team Tokai Fukuoka!」というスローガンは、まさに先駆けと言えます。本校は、「令和」という新しい時代を堂々と生きていく力を育てていく学校であります。

 

では、「令和」という新しい時代とはどんな時代でしょうか。現在の社会情勢は、SNSの普及やAI(人工知能)・ロボットなどがどんどん社会に進出してきています。また、外国人労働者とその家族とが共生できるグローバルな日本社会になることが求められています。これからの日本社会は、変化ではなく「進化」を遂げようとしているのかもしれません。

そんな進化する日本社会では、今後10年間で現在の職業の約50%がなくなると言われています。昨今のスーパーマーケットではセルフレジが着実に増えてきました。近いうちには、タクシーやトラックのドライバーが自動運転に変わり、電話のオペレータもSiriにとって代わっていくことでしょう。スポーツの分野でも、プロ野球でリクエストというVTRの判定システムやバレーボールやテニス、ラグビーでも画像での判定システムが採用されています。いづれはスポーツの審判もAIに代わっていくことになるでしょう。しかし、職業がなくなっていくことは今に始まったことではありません。30年前の職業がどう変わってきたかを考えてみると、商店は大型ショッピングセンターに、街の電気屋さんは量販店に代わってきました。以前の駅の改札では、駅員さんが切符を切っていましたが、今はどこも自動改札になっています。でも、現在でも駅には駅員さんが必要です。切符を切っていた仕事から、機械を扱って切符を発行したり、さらに高度な技術が必要な仕事や適切な接客対応が求められています。そうなんです、いつの時代でも、技術革新や社会変化で職業が消えて行ったり、また新たな職業が生まれたりしています。大事なことは、その変化に適応していく力を身につけることだと思います。

「進化論」を唱えたダーウィンの言葉に、「生き残る種とは、最も強いものではない。最も知的なものでもない。それは、変化に最もよく適応したものである。」とあります。すなわち、これからの時代で大事なことは変化に適応することであります。そして、その変化に適応するためには、自ら考え行動できる「主体的な力」を培うことだと思ってます。「主体的な力」とはなにか。それは、「自分で状況を判断して、ある目的に向かって、自ら責任をもって効果的な行動をとることができる力」のことなのです。

 

私は、「学校があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが学校に何ができるのか」・「授業があなたに何をしてくれるのではなく、あなたが授業にどうかかわっていけるのか」・「チームがあなたに何をしてくれるのではなく、あなたがチームのためにどんな貢献ができるのか」ということを、深く考えてほしいと思っています。「自分が何ができる」、「自分自身」を主語にできるような主体的な考え方を持つことが肝要です。「自分が、学校に・日々の授業に・クラス活動に・クラブ活動に、そして友人や仲間に、どうかかわっていけるのか」ということを考えて、自らの行動で示してほしいと思います。皆さんにとって、日々の授業や部活動のなかで、人間力を培うという目的のために、自ら考え自ら責任をもって行動することこそが大事なことなのです。そして、「令和」という新たな時代に向かって、皆さん自身が変化に適応して「進化」を遂げ、人間力に満ちた堂々たる人生を歩んでほしいと願っています。

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