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東海大学福岡校長先生のブログ

『入学式 校長告辞』

2018/04/09

『入学式 校長告辞』

校庭の木々の緑が目に見えて濃くなるとともに、草花も一斉に咲き出し、生きるものすべてに生命の息吹きがみなぎる希望の季節を迎えました。本日、ここに東海大学付属福岡高等学校の第53期生の入学式を挙行できることは、誠に喜びにたえないところでございます。ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生402名の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。皆さんのご入学を私たち教職員一同、心より歓迎いたします。

また、校務ご多用中にもかかわらず、ご臨席いただいております県議会議員の先生方、宗像市副市長・同教育委員会・福津市教育員会、そして中学校の校長先生、地域コミュニティー運営協議会会長様をはじめ、多くのご来賓の皆様に、厚く御礼申し上げます。

さて、本校は東海大学の付属高校として、東海大学の建学の理念のもと、文武両道を通した人間教育に力を入れている学校です。本校では、皆様のお手元の入学式次第の裏表紙に載せております、スクールスローガン・スクールポリシー・そして、スクールゴールを定めております。スクールスローガンとは、本校を簡潔に言葉で表した標語です。本校を一言で表すと、「チーム・トウカイ・フクオカ」、本校では、あらゆる活動をチーム力団体戦で取り組み、仲間と共に成長する、ひとつのチームのような学校をめざしています。スローガンの二つ目は、「ビ・ザ・ナンバーワン」 高い志と大きな夢に挑戦することで、ナンバーワンをめざし、たとえナンバーワンになれなくとも、真のオンリーワンに成長できる教育です。そして、三つ目が「ヒーロー・イズ・ユー」生徒が主人公になる活動を通して、すばらしい大人に育てる教育を展開しています。

次に、スクールポリシーについてお話します。スクールポリシーとは、学校の根本的な考え方・方針であります。本校のスクールポリシーは、東海大学の建学の精神に則り、人間力を育てるということであります。先月の新入生登校日の際にも、詳しくお話をさせていただきましたが、少し触れたいと思います。昨今の日本の社会情勢は、少子高齢化、グローバル化、AIやロボットの社会進出めざましいところであります。セルフレジや自動運転システムなど、もう既に我々の生活に入り込んできています。そんな社会を堂々と生き抜く力、それが人間力であります。本校では人間力を豊かな人間性、逞しい社会実践力、強い使命感の三つに定義づけています。特に、三つ目の強い使命感については、あえて「気概」という言葉で表しています。気概とは、どんな困難にもくじけない心。という意味です。皆さんもこれからの高校生活で、どんな困難にぶちあたっても、くじけない心、気概をもって挑んでください。

スクールスローガンとスクールポリシー、そして、今年度より、本校の学校目標であるスクールゴールというものを打ちたてました。それは、授業 日本一、部活動 日本一、挨拶と笑顔 日本一という三つのゴールです。本校はまず挨拶を徹底しています。きちんと立ち止まって、相手にしっかり体の正面を向けての挨拶を習慣づけています。私は日本一の挨拶であると自負しています。また、笑顔は内面から自然とでるもので、人を幸せにするものです。私は、本校の挨拶に心からにじみ出る笑顔が加われば、日本一の挨拶と笑顔になると思います。本校は部活動も盛んな学校です。昨年は、硬式野球部が選抜甲子園ベスト8に入るなど、また全国高校駅伝大会や女子サッカー全国選手権大会への出場など、めざましい成果を出してくれています。もちろん、全国制覇・日本一を果たす部活動が出てきてくれることは、大変うれしいことであります。

しかしながら、本校の部活動の目的は、人間教育にあります。部活動を通して逞しい大人に育てることこそ、部活動の本当の意義です。そういった意味で、部活動日本一という目標は、部活動を通した人間教育、部活動を通した成長こそが日本一というゴールです。そして、一番上位に掲げているのが授業日本一です。本校では、今年度より授業改革に大きく舵を切ります。アクティブラーニングを柱とした授業改革を行い、生徒にこれからの社会を生き抜く能力と資質を身に付けさせます。本校で3年間学んでこんな力がついたといえる授業を展開します。それが、授業日本一というゴールです。

授業改革を進める上で、まずは教育の原点に立ち還って、「人は何のために学ぶのか」という命題について少し触れたいと思います。生徒の皆さんにとっては、何のために学ぶのか? 保護者の皆さんにとっては、何のために、お子さんに勉強を頑張って欲しいと思っておられるのですか? ということです。高校を卒業するため、いい大学に入学するため、いい仕事に就くため、資格を取得するため、公務員になるため、プロスポーツ選手になるため・・・いろいろな答えがあると思います。次に、何のために大学に入るのか? 何のためにいい就職したいのか? 何のために資格を取得していい仕事に就きたいのか? そして何のためにプロスポーツ選手を目指すのか? という質問をしたいと思います。どうでしょうか? 安定した生活がしたいから。好きな仕事に就きたいから。他人から感謝されたいから。社会から信頼される人生をおくりたいから、そうですよね、誰しも生活に困らないお金があって、やりがいのある仕事に就いて、他人からありがとうと感謝されるような生き方をしたい。すなわち、人は、誰しも幸せになりたいのです。そうなんです。人は幸せをつかむために、学ぶものです。言い換えると、人は幸せをつかむために努力し生きていくものです。ただし、ここで私が皆さんにどうしても伝えたいことがあります。それは、自分が幸せになるには、他人を幸せにすることこそが、唯一の道だという真理です。周りの人に喜んでもらう、誰かの力になる、困っている人を助ける。苦しんでいる人を救う、迷っている人を導く、そういった他人のために何かできること、人のために尽くすことこそが、自分自身の喜びであり、自分自身が幸せになる唯一の道だということです。皆さんが、これから始まる高校生活のなかで、周りの人ために、仲間友人のために、誰かのために尽くしてください。それが、実は皆さんの力となり、皆さん自身の喜びとなり、皆さんの幸せにつながることとなります。どうか、人の幸せのために尽くすことが、自分の幸せと感じられる人に成長してください。

最後に、保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただきましたことに、心から感謝申し上げます。私ども教職員一同は、お子様の将来への夢の実現にむけて、全力で当たる決意でございます。そして、卒業時には、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づく進路に繋げるため、私たち教職員一同、ひとつのチームとなって取り組んでまいります。本校は新たな改革の真っ最中であります。コース制の改編やカリキュラムの改定、人工芝の敷設やスクールバスの導入、先ほども述べましたが、アクティブラーニングを柱とした授業改革。また、昨年度より、携帯電話についてのルールを、持ち込み禁止から持ち込み認め、就学時間以外での使用を認めるようにしました。これは、実情に合わせ、禁止の指導から、使用のルールモラルの指導に、大きく踏み出した改革です。そういった改革も、教職員と生徒そして保護者の皆様との信頼関係が肝要になると思っています。どうぞよろしくお願いします。また、本校では、挨拶や身だしなみ、そしてマナーなど生活面の指導や、人として社会にでて通用するための指導においては、妥協をしない教育方針で行っております。保護者の皆様には、ぜひご理解をいただき、学校を信頼していただきたいと思っております。より良い教育には保護者の皆様の協力が不可欠であります。学校と保護者の皆様が連携をして、お子様の成長を力強く見守っていただくことを、お願いいたしまして、私の「告辞」といたします。

2018年4月7日

 東海大学付属福岡高等学校 校長 津山憲司

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