桜花爛漫、校庭の桜が、皆さんのご入学を歓迎するように咲き誇っています。またステージの左右に咲く、生徒会が作成した桜のオブジェも皆さんのご入学を大歓迎しています。
本日ここに東海大学付属福岡高等学校 第60回入学式を挙行できることは、誠にうれしいところでございます。
ただいま、入学を許可いたしました、凛と目を輝かせた新入生の皆さん、保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。
数ある高校から本校を進学先として選んでいただき、ありがとうございます。皆さんのご入学を、教職員一同、心より歓迎いたします。
また、年度初めのお忙しい時期にもかかわらず、たくさんのご来賓の方々にご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
さて、先ほど数ある高校から本校を選んでくれて、と言いました。数ある日本の高等学校って、何校ぐらいあると思いますか、令和4年の統計では4824校です。
いろんな学校が、それぞれの特色や目標を掲げています。
国公立大学進学何名以上、就職率何%とか、全国大会出場クラブ数とかです。でも、それはあくまで教育の目標であり、教育の目的をはっきりと示している学校が何校あるでしょうか。
本校では、教育の目的をスクールポリシーの中で、はっきりと示しています。理想とする教育として、「人の笑顔のために、人の幸せのために尽くせる人を育てたい」という一点です。人を笑顔にすると自分も笑顔になります。同じように、人の幸せに尽くすことが、自分の幸せにつながるという真理を、本校のポリシーとしています。
次第の裏表紙にも本校のスクールポリシーを載せておりますが、人の笑顔のためにがんばり、将来、人を幸せにする力をつけるという目的のために、人間性・社会性・主体性という「人間力」と、社会で必要な「七つの学力」を具体的に示し、皆さんに高校3年間で、「人間力」と「七つの学力」をしっかりと身につけてもらいます。
また、それには、授業はもちろんですが、学校生活やイベント、部活動、すべてを学習の場として、しかも、自ら学ぶ主体性と本質を掘り下げる探究型の学びでなければなりません。従来型の講義形式や暗記型の学習ではなく、自ら学び探究していく学びを実践してもらいます。
さて、今の社会はどうでしょうか、日本では少子高齢化が進み、また、AIやロボットがどんどん我々の生活に密接に関わってきています。世界を見渡せば、ウクライナやガザなどの戦争が今も続いています。アメリカではトランプ政権となり、多様性や環境保護の精神などは、アメリカンファーストの陰に隠されてしまっています。
まさに混迷の時代といってもいいでしょう。だからこそ、皆さんのこれから学ぶ姿勢は、自ら学ぶ主体性と深く本質を掘り下げる探究力が必要となっています。それが、本校がポリシーとしている「人間力」と「七つの学力」につながっていくのです。
常々、私は、学ぶとは、たくさんの体験をして、それを経験化することだと思っています。言い換えれば、体験を積み重ねて、経験として自分の力にすることが学びだと思っています。
具体的に喩えてみましょう。ある授業で、数式を使って答えを導き出した体験をしました。その
数式を使って、自ら何度も数字を変えて勉強します。そして、試験で、その数式をつかって答えが導きだせました。それが、体験を経験化する学びということです。
サッカーの練習で、ボールがカーブする蹴り方を教わりました。それは体験です。その後、自ら何度も試してその蹴り方を練習し、試行錯誤しながら、自分なりの蹴り方を身につけます。そして、試合で、その蹴り方でゴールを決めることができました。まさしく、体験を重ねて経験化することであり、それが学ぶということです。
入学式の告辞として、生徒の皆さんに伝えたいメッセージは、
高校3年間、人間力と七つの学力をしっかりと身につけてください。身につける場所は、教室だけではありません。イベント、部活動、日常の学校生活で、たくさんの体験を積み重ねてください。その一つひとつの体験を、自ら学ぶ主体性と、本質を掘り下げる探究心で積み重ねていくことが、これからの社会で生き抜く皆さんの力となることを信じています。そして、身につけた力で、人の笑顔のために、人の幸せのために尽くせる人に育ってください。
これが私からのメッセージです。
保護者の皆様、大切なお子様を、私ども東海大福岡高校にお預けいただき、心から感謝申し上げます。お子様を、すばらしい大人に成長させ、自分の夢・目標に近づくよう、教職員一同ひとつのチームとなって、常に生徒に寄り添った指導で、取り組む所存です。ただし、それには、保護者の皆様のご協力が不可欠であります。
私どもは保護者の皆さんをカスタマーすなわちお客さんとは思っておりません。パートナーだと思っております。お子様に人間力をつけて社会に送り出すためのパートナーだと思っております。学校は保護者の皆様と連携をして、お子様をすばらしい大人に成功させたいと思いますので、ご理解のほど、よろしくお願い致します。
さあ、新入生の皆さん、たくさんの友人を作ってください。いろんな話をしてください。そして、多くのことに挑戦をしてください。うまくいかなくてもいい。失敗してもいい。負けてもいい。そのすべての体験が、貴重な経験となり、必ずや皆さんの人生を支える強い力となるはずです。
果てしなく広がる皆さんの可能性とすばらしい未来を祈念して、私の告辞とします。