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学校生活ブログ

「安全地帯」

2016/05/23

「安全地帯」

養護教諭 西村佳子

 

先日、ある生徒から「ここ(保健室)は安全地帯だ」と言われた。生徒にとってこの保健室という空間は、教室とは違った空気が流れる場である。観葉植物があり、BGMが流れる明るい部屋。教室で戦闘態勢になっている生徒にとっては、ちょっとホッとできる場所なのかもしれない。

この場所を訪れる生徒は年間2000人以上になる。ほとんどが体調不良やケガ等以外の記録に残らないような内容である。ちょっと身長を測りに、学校保険の書類をもらいに、絆創膏が欲しい、弁当のお箸忘れた、ちょっと涼みに、ただ何となく・・などといった理由である。いわば「学校の何でも屋」としての機能を持つ保健室は出来る限り生徒の要望を聞き、支援をしている。しかし、ある生徒には有効な支援が、別の生徒にとっては却って逆効果である場合も当たり前のようにある。

 

支援はまた、甘やかしと紙一重でもある。

 

どこまで許し受け入れるか、その境界にいつも悩む。当然受け入れられる事ばかりではない。これから先、生徒が歩んでいく社会への適応を果たすためには、高いハードルを乗り越える力が必要である。心が折れそうになるくらい辛い経験や出来事があるかもしれない。そういう時こそが、自分自身を成長させるチャンスになる。ぜひ、高校時代に、この乗り越える力を付けてほしいと心から願っている。安全地帯から解き放たれたとき、自分自身の成長が試される。

 

東海大福岡生の未来に幸多かれ!

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